マカオ

エリアガイド · マカオ

🇲🇴 マカオ

マカオの食は、広東料理と四百年のポルトガル植民地が溶け合ってできている。焦がしたエッグタルトと厚い豚肉のパン、干し鱈やアフリカンチキン、氹仔の粥と乳の甘味。世界遺産の狭い坂道を、菓子とポルトガル料理と小吃で辿る三つのルートを案内する。パタカでも香港ドルでも支払える。

🚇 半島・氹仔・コタイをバスとタクシーで結ぶ。旧市街はいずれも徒歩で回る。空港とフェリー乗り場からバス便あり🍽 3ルート・18皿

マカオの食

マカオの食は、二つの流れが重なってできている。一つは広東料理。飲茶の点心、竹の棒で打つ雲呑麺、水蟹の粥、大豆や牛乳の甘味など、珠江デルタの味がそのまま根づいている。もう一つはポルトガル植民地の四百年が残した料理だ。干し鱈(馬介休)、唐辛子とココナツのアフリカンチキン、黄色いソースの葡國雞。この二つが混ざり合った土地では、土生葡人(マカニーズ)という独自の家庭料理まで生まれた。免治や木糠布甸は、どちらの国にもない、この街だけの味だ。エッグタルトはその象徴で、リスボンの菓子が広東の窯で焦がされ、世界中に広がった。狭い半島と島に、これだけの食が濃く詰まっている。

三つのエリアから始める

マカオを歩くなら、性格の違う三つのエリアから始めるとよい。議事亭前地ルートは、世界遺産の広場を中心に、菓子と点心を辿る道。エッグタルト、豬扒包、広東点心、杏仁餅や龍鬚糖の土産菓子が、波打つ石畳に並ぶ。媽閣ルートは、マカオ最古の廟から下町の路地へ入り、ポルトガル料理に向き合う。アフリカンチキン、馬介休、葡國雞、免治、咖喱蟹、木糠布甸と、植民地の記憶が続く。氹仔ルートは、旧市街の官也街を軸にした小吃の道。水蟹粥、竹昇麺、大菜糕、豆花、燉奶、ドリアンの氷菓が、細い通りに密に並ぶ。三つとも料理が重ならないよう選んでいるので、順に回れば街の食の全体が見える。

マカオの食の読み方

マカオの料理を読むには、名前の裏にある道筋を見るとよい。「葡國雞」はポルトガルを名乗るが、インドや東南アジアの香辛料を含み、本国には同じものがない。ポルトガル人が航路の各地から持ち帰った味が、マカオで一皿にまとまったのだ。アフリカンチキンの唐辛子、葡國雞のターメリック、咖喱蟹のカレー粉は、いずれも大航海時代の交易の跡である。一方で広東の側は、飲茶の作法や竹昇麺の手仕事、牛乳や大豆の甘味に、珠江デルタの日常をそのまま伝える。同じ通りで、焦がしたエッグタルトと蒸したての蝦餃が隣り合う。この重なりこそがマカオの食で、どちらか一方だけを食べては半分しか見えない。甘いものと塩気のもの、東と西を交互に挟んで歩くのがよい。

訪れる前に

いくつか実用の目安を。通貨はパタカ(MOP)だが、香港ドルもほぼ同額で広く使え、釣りはパタカで返ることが多い。現金が要る小さな店や露店もあるので、少額を用意しておくと安心だ。本文の価格や営業時間はすべて目安で、季節や仕入れ、店の都合で変わる。時価の海鮮は注文前に重さと値を確かめてほしい。広東点心や粥は午前から昼、ポルトガル料理は夜まで開く店が多く、氹仔の小吃は昼から夕方に賑わう。土産菓子は試食を受けてから量を選び、日持ちを確かめるとよい。街は坂と石畳が多く、夏は日差しと湿気が強い。歩きやすい靴と水を持ち、混雑する昼過ぎを避けて回ると、静かにこの街の食を辿れる。

このエリアのルート

議事亭前地・新馬路ルート

新馬路(バス停) → 議事亭前地 → 大三巴牌坊 · 徒歩 100分 · ルート紹介を読む →

媽閣・下環ルート

媽閣廟前地 → 河邊新街 → 下環街市 · 徒歩 110分 · ルート紹介を読む →

氹仔・官也街ルート

氹仔旧市街 → 官也街 → 龍環葡韻 · 徒歩 95分 · ルート紹介を読む →

言語:日本語中文EN