マカオ · 媽閣ルート
媽閣・下環ルート
媽閣廟の線香の煙から、ポルトガル料理の路地へ入るルート。唐辛子とココナツで焼くアフリカンチキン、干し鱈のコロッケ、黄色いソースの葡國雞、家庭の免治、そして木屑のような冷菓。四百年の植民地が残した味が、下町の坂道に静かに続く。
媽閣廟から下町の食卓へ
このルートは、マカオ最古とされる媽閣廟の前から始まる。渦を巻く線香の下、ポルトガル人が上陸した頃の街並みがそのまま残り、石畳の坂道に古い商店と食堂が並ぶ。この一帯は、広東料理とポルトガル料理が四百年かけて溶け合った土生葡人(マカニーズ)の味の土地だ。派手な観光地ではないぶん、家庭の延長のような素朴な料理に出会える。まずは廟に手を合わせ、海に面した河邊新街を歩きながら、店先に貼られた葡国菜の品書きを一つずつ読んでいくとよい。焼き物が多く時間がかかるので、早めに店を決めるのが肝心だ。
香辛料と干し鱈、そして甘い締め
この土地の料理は、ポルトガル人が航路の各地から持ち帰った香辛料の記憶でできている。非洲雞は唐辛子とココナツのソースで鶏を焼き、辛さの奥に甘みとナッツのこくを潜ませる。馬介休(干し鱈)はコロッケや焼き物になり、干した魚の塩気と旨みを伝える。葡國雞はインドや東南アジアの香りを含んだ黄色いソースで、名に反してマカオ独自の一皿だ。免治は醤油とウスターソースで炒めた挽肉に半熟卵をのせた家庭の味。締めには、砕いたビスケットとクリームを重ねた木糠布甸を冷たいまま一つ。辛いものと乳のものを交互に置くと、重い皿も進む。
このルートの歩き方
媽閣廟前地でバスを降り、まず廟に参ってから右手の萬里長城の坂を上る。港務局大楼の黄色い外壁を横目に、河邊新街へ下ると海沿いに食堂が続く。昼は混む前に一軒を決め、非洲雞か葡國雞を頼んで腰を据える。焼き上がりを待つ間に馬介休のコロッケを前菜として分けるとよい。夕方は下環街市の周りに海鮮の店が開き、咖喱蟹を囲むなら二人以上で。締めは木糠布甸を冷たいまま。坂と石畳が多く、日中は日差しが強いので、水を持ち帽子があると楽だ。店は夜まで開くところが多いので、昼を軽くして夜に食事を寄せる組み方もできる。
ルートマップ
媽閣廟前地 → 河邊新街 → 下環街市 · 番号は下の一皿と対応
このルートの一皿(6)
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