マカオ · 路環ルート
路環・コロアネ島ルート
賑わう半島を離れ、静かな漁村の島を辿るルート。ポルトガル式エッグタルトが生まれた小さな菓子店、陳皮を効かせた鴨の煮込み、内海で採れる貝、島で仕込む蝦醬、手で泡立てるコーヒー、碗で蒸す素朴な米菓子。海に面した黄色い聖堂と廟のあいだを、島のゆったりした食で歩く。
エッグタルトの発祥地から
このルートは、路環市街の小さな菓子店から始まる。マカオを代表するポルトガル式エッグタルトは、この静かな島で英国人の菓子職人が売り出したのが始まりと伝わる。リスボンの菓子を卵液と焦がしで作り替えた一皿は、やがて半島や世界中へ広がった。厚いパイ生地の層と、黒く焦がした表面の下の柔らかな卵液は、発祥の店の方が濃いと言う人もいる。週末は行列が長く、焼き上がりごとに売り切れることも多い。まずは番号札を取り、一つを熱いうちに海を見ながら食べる。同じ皿でも、半島の議事亭前地とは違う「元祖」の物語を、この島で辿ることになる。
漁村の食卓 ― 鴨、海鮮、蝦醬
菓子の甘さから離れると、この島には漁村ならではの食卓が続く。路環の古いレストランの名物は陳皮鴨で、干して寝かせたみかんの皮と香辛料で鴨を長く煮込む。ほろ苦い柑橘の香りが脂を切り、一族が代々守る配合に味の芯がある。珠江の河口に面した島では、内海で採れる貝も食堂の看板だ。発酵させた黒豆と唐辛子で強火に炒めた蜆は、殻をすすると出汁ごと飲める。もう一つの島の名産が蝦醬で、小エビを塩漬けにして発酵させた味噌を、少量、飯とともに炒める。濃い塩気と発酵の香りが、匂いの強さの奥で丸い旨みに変わる。半島の華やかな料理とは違う、素朴で力のある味がここにある。
このルートの歩き方
半島や氹仔からバスで路環市街に入り、バス総站の近くから海沿いの十月初五馬路に立つ。まず打纜街の奥の菓子店で、発祥のエッグタルトを一つ焼きたてで食べる。次に恩尼斯總統前地から黄色い聖方濟各聖堂を見て、古いレストランで陳皮鴨を頼み、待つあいだに海沿いの食堂で貝の炒めものを分ける。午後は蝦醬炒飯で腹を落ち着け、路地裏の喫茶店で手打ちのコーヒーを一杯、泡立つのを待つ。締めは露店の砵仔糕を手に持ち、譚公廟から碼頭へ抜けて内海を眺める。島は小さく坂も少ないが、店は数が限られ早じまいもある。昼どきを外し、午後の静かな時間に回ると、半島とは違う島のゆったりした食が見えてくる。
ルートマップ
路環市街(バス総站) → 聖方濟各聖堂 → 譚公廟・碼頭 · 番号は下の一皿と対応
このルートの一皿(6)
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