路環・コロアネ島ルート

マカオ · 路環ルート

路環・コロアネ島ルート

賑わう半島を離れ、静かな漁村の島を辿るルート。ポルトガル式エッグタルトが生まれた小さな菓子店、陳皮を効かせた鴨の煮込み、内海で採れる貝、島で仕込む蝦醬、手で泡立てるコーヒー、碗で蒸す素朴な米菓子。海に面した黄色い聖堂と廟のあいだを、島のゆったりした食で歩く。

🚇 マカオ半島や氹仔からバスで路環市街(コロアネ・ヴィレッジ)へ。島内は徒歩で回る🚶 徒歩 約90分🍽 一皿 6

エッグタルトの発祥地から

このルートは、路環市街の小さな菓子店から始まる。マカオを代表するポルトガル式エッグタルトは、この静かな島で英国人の菓子職人が売り出したのが始まりと伝わる。リスボンの菓子を卵液と焦がしで作り替えた一皿は、やがて半島や世界中へ広がった。厚いパイ生地の層と、黒く焦がした表面の下の柔らかな卵液は、発祥の店の方が濃いと言う人もいる。週末は行列が長く、焼き上がりごとに売り切れることも多い。まずは番号札を取り、一つを熱いうちに海を見ながら食べる。同じ皿でも、半島の議事亭前地とは違う「元祖」の物語を、この島で辿ることになる。

漁村の食卓 ― 鴨、海鮮、蝦醬

菓子の甘さから離れると、この島には漁村ならではの食卓が続く。路環の古いレストランの名物は陳皮鴨で、干して寝かせたみかんの皮と香辛料で鴨を長く煮込む。ほろ苦い柑橘の香りが脂を切り、一族が代々守る配合に味の芯がある。珠江の河口に面した島では、内海で採れる貝も食堂の看板だ。発酵させた黒豆と唐辛子で強火に炒めた蜆は、殻をすすると出汁ごと飲める。もう一つの島の名産が蝦醬で、小エビを塩漬けにして発酵させた味噌を、少量、飯とともに炒める。濃い塩気と発酵の香りが、匂いの強さの奥で丸い旨みに変わる。半島の華やかな料理とは違う、素朴で力のある味がここにある。

このルートの歩き方

半島や氹仔からバスで路環市街に入り、バス総站の近くから海沿いの十月初五馬路に立つ。まず打纜街の奥の菓子店で、発祥のエッグタルトを一つ焼きたてで食べる。次に恩尼斯總統前地から黄色い聖方濟各聖堂を見て、古いレストランで陳皮鴨を頼み、待つあいだに海沿いの食堂で貝の炒めものを分ける。午後は蝦醬炒飯で腹を落ち着け、路地裏の喫茶店で手打ちのコーヒーを一杯、泡立つのを待つ。締めは露店の砵仔糕を手に持ち、譚公廟から碼頭へ抜けて内海を眺める。島は小さく坂も少ないが、店は数が限られ早じまいもある。昼どきを外し、午後の静かな時間に回ると、半島とは違う島のゆったりした食が見えてくる。

ルートマップ

路環市街(バス総站) → 聖方濟各聖堂 → 譚公廟・碼頭 · 番号は下の一皿と対応

十月初五馬路打纜街客商街民國馬路屠場前地街天后廟前地聖方濟各聖堂⛩️譚公廟🌊路環碼頭1ポルトガル式エッグ…2陳皮鴨(陳皮風味の…3アサリの豉椒炒め(…4蝦醬炒飯(発酵エビ…5手打ちコーヒー(手…6砵仔糕(碗蒸しの米…

このルートの一皿(6)

タップすると各店・各一皿の詳細へ

1甘味エッグタルト発祥の菓子店×ポルトガル式エッグタルト(発祥店の葡挞)この島の小さな店から、マカオのポルトガル式エッグタルトは始まったと伝わる。英国人の菓子職人が村に居を構え、リスボンの菓子を卵液と焦がしで独自に作り替えたのが元とされる。厚いパイ生地は層がはっきりと立ち、高温で黒く焦がした表面の下に、揺れるほど柔らかい卵液が隠れる。カラメルの苦みと卵の甘さは、後から広まった各店のものより濃いと言う人もいる。週末は長い行列ができ、焼き上がりごとに売り切れることも多い。番号札を取り、熱いうちに海を見ながら食べるのがよい。最寄 恩尼斯總統前地・打纜街価格 1個12〜18パタカ / MOP 12-18 2路環の老舗レストラン×陳皮鴨(陳皮風味の鴨煮込み)鴨を、干して寝かせたみかんの皮(陳皮)と生姜、八角などの香辛料とともに、時間をかけて煮込む。皮は飴色に照り、箸を入れると骨から肉がほろりと外れる。噛むと陳皮のほろ苦い柑橘の香りが脂を切り、後に甘い煮汁のこくが残る。年代物の陳皮ほど香りが深いとされ、店は一族が代々その配合を守る。仕込みに手間がかかるため、半羽単位で出され、予約が要ることも多い。飯や青菜を添え、二人以上でゆっくり分けるのがよい。最寄 十月初五馬路価格 半羽130〜200パタカ / MOP 130-200 3漁村の海鮮食堂×アサリの豉椒炒め(豉椒炒蜆)島の内海で採れる蜆(アサリの類)を、発酵させた黒豆と刻んだ唐辛子、にんにくで、強い火で一気に炒める。殻が開いた瞬間に火を止めるので、身はふっくらと縮まない。黒豆の塩気と唐辛子の辛み、貝から出た汁が絡み、殻をすすると出汁ごと飲める。飯にのせても、冷たいビールと合わせてもよい。路環は珠江の河口に面した漁村で、こうした貝や小魚が食堂の看板になる。時価のことが多く、殻つきの量で値が決まる。最寄 客商街・海沿い価格 1皿70〜120パタカ / MOP 70-120 4蝦醬の食堂×蝦醬炒飯(発酵エビ味噌の炒飯)路環で仕込まれた蝦醬(小エビを塩漬けにして発酵させた味噌)を少量、冷や飯とともに強い火で炒める。塩気と発酵の香りが飯の一粒ずつに移り、溶き卵と刻み葱、細切れの豚肉がまとまりを与える。匂いは強いが、口に入れると角の取れた旨みと軽い甘みに変わり、後を引く。蝦醬は塩気が濃いので少しで足り、飯はぱらりと乾いた炒め上がりがよい。島の作坊が作る蝦醬は土産にもされ、瓶で持ち帰る人も多い。辛味や香菜を好みで足す。最寄 路環市街価格 45〜70パタカ / MOP 45-70 5島の古い喫茶店×手打ちコーヒー(手打咖啡)卵と砂糖、濃く淹れたコーヒー、練乳を、長い時間、手で撹拌して泡立てる。表面にきめの細かい淡い泡が層になり、匙ですくうとふわりと軽い。飲むと濃く甘く、卵のこくが後を引き、コーヒーの苦みは丸くなる。氷を入れた冷たいものも選べる。バスケットコートの脇や路地裏の小さな店で、一杯ずつその場で泡立てるため、少し待つ。菠蘿油(パイナップルパン)や厚切りトーストと合わせ、島の午後をゆっくり過ごす客が多い。最寄 譚公廟前地周辺価格 18〜30パタカ / MOP 18-30 6甘味島の甘味の店×砵仔糕(碗蒸しの米菓子)米の粉に黄糖(または白糖)を溶いた液を、小さな茶碗に注ぎ、底に小豆をのせて蒸し固める。竹串二本で碗の縁からくるりと外し、そのまま手で持って食べる。もちりと弾む生地に、黄糖のやさしい甘さと小豆のほくほくが混ざる。飾りも重さもない、古い街の素朴な甘味だ。冷めても固くなりにくく、歩きながらつまめる。路環のような古い村の露店に今も残り、蒸したてが並ぶ時間を狙うとよい。白糖と黄糖の二種を食べ比べる人も多い。最寄 路環市街・十月初五馬路価格 1個10〜18パタカ / MOP 10-18
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