廈門

エリアガイド · 廈門

🇨🇳 廈門

沙茶の濃さ、海の鮮度、南洋の甘さ。老街・漁港跡・朝市——性格の違う3ルートで、閩南の港町・廈門の食の幅をひと通り歩く。

🚇 廈門島内・地下鉄/バスでアクセス🍽 3ルート・18皿

廈門の食の成り立ち

廈門の食は「閩南菜(びんなんさい)」に属します。福建省南部——泉州・漳州・廈門を核とする地域の料理で、その味を貫く芯は二つ。ひとつは海です。台湾海峡に面した港町として、海蠣(牡蠣)、土笋(星虫)、蟶子や血蛤といった貝、魚介が日常の食材になっていて、海蠣煎・土笋凍・海鮮粥として食卓に上ります。もうひとつが沙茶(サーチャー)。落花生・干し海老・香辛料を練った調味料で、もとは東南アジアの沙嗲(サテ)が、南洋へ渡った華僑を通じて逆輸入され、廈門で沙茶面や沙茶串として根づいたものです。そこへ、鼓浪嶼の租界と華僑がもたらした洋菓子や珈琲の文化が重なる。海の鮮度、沙茶の濃厚さ、そして南洋・西洋由来の甘さ——この重なりが、辛くはないが滋味の深い、廈門の一皿を作っています。

三つの顔

このサイトの廈門は、性格の違う三つのルートに分けてあります。まず中山路——1920年代から続く旧市街の老街で、騎楼(アーケード建築)の連なる歩行街です。黄則和の花生湯、月華の沙茶面、莲欢の海蠣煎、好清香の焼肉粽といった閩南の小吃が、本通りから横丁に一本入ったところに濃く集まっています。次に沙坡尾——島の南岸に残る漁港跡で、避風塢を囲んで海鮮大排档と改装カフェが同居するレトロ街。醉壹号の炒海鮮や炭火の海蠣に、珈琲や石花膏を挟んで歩きます。そして八市——旧市街の中心にある第八市場、廈門いちばんの「街の台所」です。乌糖の沙茶面、市場で焼く海蠣煎、大同の鴨肉粥など、地元の一日の食が朝の市場にぎゅっと詰まっています。老街・漁港跡・朝市。この三つを合わせると、廈門の食の幅がひと通り見えてきます。

閩南の食を読み解く小さな言葉

廈門の食を歩くと、いくつかの言葉が繰り返し出てきます。「沙茶(サーチャー)」は落花生ベースの調味料で、これで和えた麺が沙茶面。辛味ではなくコクと甘みが主役です。「海蠣(ハイリー)」は牡蠣のことで、卵と澱粉で焼けば海蠣煎、粥にすれば海蠣粥。「土笋(トゥースン)」は星虫という海の生き物で、その煮汁を固めたのが土笋凍。名前に「笋(たけのこ)」とあるが植物ではありません。「面線(ミェンシェン)」は極細の素麺で、とろみをつけて炊くと面線糊になります。そして海蠣煎に蟹が入らず、五香に蟹殻もないように、閩南の料理名は形や香りに由来するものが多い。沙茶・海蠣・土笋・面線——この四つを覚えておくだけで、屋台の看板の見え方が変わります。

廈門で食べるコツ

廈門の小吃は朝がいちばん元気です。沙茶面や面線糊は朝食の主食で、名店ほど午前に列ができ、昼を過ぎると仕舞う店もあります。八市のような市場も午前が本番。だから狙いは午前中です。支払いは電子決済(スマホのQRコード)が主流ですが、市場の小さな屋台では現金しか使えない店も残るので、少額の現金を持っておくと安心。海鮮大排档や炭焼きは「時価」のことが多いので、注文前に量と値段を確かめておくと会計で慌てません。そして一皿の量は小さめに作られています。一軒で満腹にせず、二人以上で分けながら、少しずつ何軒も回る——沙茶の濃い一杯と、海の一皿と、南洋の甘いものを交互に。腹を空けて臨むのが、この港町の正しい食べ方です。

このエリアのルート

中山路ルート

鎮海路駅 → 中山路歩行街 → 鷺江道(老街を東西に) · 徒歩 120分 · ルート紹介を読む →

沙坡尾ルート

沙坡尾避風塢 → 大学路 → 厦門大学(漁港跡の海鮮とカフェ) · 徒歩 100分 · ルート紹介を読む →

八市(第八市場)ルート

開禾路 → 営平路 → 厦禾路(地元の朝市と小吃) · 徒歩 90分 · ルート紹介を読む →

言語:日本語中文EN