廈門 · 沙坡尾ルート
沙坡尾ルート
漁港の面影を残す避風塢を囲んで、海鮮とカフェが同居する街を歩く。醉壹号の炒海鮮に始まり、土笋凍・姜母鴨と閩南の一皿を挟みながら、珈琲や石花膏で一息。夜は避風塢のまわりで炭火の海蠣まで。
沙坡尾とはどんな場所か
沙坡尾(さはび)は、廈門島の南岸にある小さな入り江で、島にかつて数多くあった「避風塢(ひなん港)」の最後のひとつが残る場所です。名前は、砂浜が弧を描いて尾を引くように見えたことに由来します。長らく廈門の漁業の拠点で、色とりどりの漁船がひしめく内港でしたが、埋め立てと都市化のなかで漁港としての役目を終え、今は水をたたえた避風塢と、それを囲む古い集落だけが残りました。2010年代以降、その古い建物や倉庫を改装したカフェ、雑貨店、アートスペースが集まり、漁港の記憶とクリエイティブな街の空気が同居する、廈門でも独特の一角になっています。すぐ隣は厦門大学と南普陀寺で、学生や若い旅行者の姿も多く見られます。
海の一皿と、街のコーヒー
沙坡尾の食は、二つの層でできています。ひとつは海。避風塢のまわりには海鮮大排档が並び、氷の上のその日の魚介——血蛤、蟶子、皮皮蝦、青蟹——を指して選び、蒸す・炒める・焼くを頼みます。夜になれば卓が路上まで広がり、炭火で焼く蒜蓉海蠣の香りが漂う。土笋凍のような海辺の珍味も、この界隈でこそ出会いやすい一皿です。もうひとつは、若い街の甘さと苦さ。改装カフェが淹れるハンドドリップの珈琲、海藻から作る冷たい石花膏、そして体を温める姜母鴨——塩気の続く海鮮の合間に、甘いものや一杯の珈琲を挟むことで、口も体もリセットされます。海の濃さと、街の軽さ。この緩急こそが沙坡尾の歩き方です。
このルートの歩き方
起点は沙坡尾の避風塢。まず醉壹号のような海鮮大排档で卓を囲み、その日の海のものを何品か頼んで、この街の主役を押さえます。そこから大学路沿いを歩き、土笋凍で海辺の珍味を試し、少し進んで姜母鴨の土鍋で体を温める。塩気が続いたら、32HOWのようなカフェに入って珈琲で一息、あるいは石花膏で口を冷やします。日が暮れたら避風塢に戻り、炭火で焼く蒜蓉海蠣を一個ずつ。全体で徒歩1時間半ほどですが、カフェで座る時間を含めると半日仕事になります。昼は海鮮とカフェ、夜は炭火——時間帯で街の顔が変わるので、夕方をまたいで組むと沙坡尾を一日で味わえます。
ルートマップ
沙坡尾避風塢 → 大学路 → 厦門大学(漁港跡の海鮮とカフェ) · 番号は下の一皿と対応
このルートの一皿(6)
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