上海 · 人民広場〜外灘
南京路ルート
人民広場から外灘まで、上海いちばんの目抜き通りを西から東へ。国際飯店の蝴蝶酥に始まり、生煎・小籠・月餅と老舗の点心を渡り歩き、最後は川辺の外灘で本帮料理まで。
南京路とはどんな場所か
南京路は、人民広場から外灘(バンド)まで東西にのびる、上海随一の目抜き通りです。とくに中ほどの「南京東路」は歩行者天国(歩行街)になっていて、「中華第一商業街」とも呼ばれてきました。清の末から租界の時代にかけて、ここは上海の商いと流行の中心で、百貨店や老舗が軒を連ねた。今もその名残で、通り沿いには蝴蝶酥・生煎・月餅といった、100年近く同じものを売り続ける食の老舗が点在しています。東の突き当たりが外灘。黄浦江に沿って租界時代の西洋建築が並び、なかでも緑の尖った屋根の和平飯店と、時計塔の海関大楼が目印です。西の人民広場から東の外灘へ、老舗の菓子で始めて川辺の一皿で締める——それがこのルートです。
「本帮」の甘い醤油味
上海の家庭料理・食堂料理を「本帮菜(ほんばんさい)」と呼びます。その味の芯は「濃油赤醤(のうゆせきしょう)」——醤油と砂糖をたっぷり使い、色濃く、甘辛く煮上げる作り方です。角切りの豚をとろとろに煮た紅焼肉、揚げた鱸に甘酢あんをかけた松鼠鱸魚などが代表格。さらに上海の秋の香りといえば金木犀(桂花)で、菓子にも料理にも忍ばせます。条頭糕にひとつまみ散らし、紅焼肉に効かせる。甘い・濃い・香る、この三つが分かると、南京路の一皿がぐっと近くなります。
このルートの歩き方
起点は地下鉄1・2・8号線が交わる人民広場。まずは国際飯店の西餅屋で蝴蝶酥を買います。1934年に建った、かつて上海一の高さを誇ったホテルの菓子で、平日でも行列ができる看板です。そこから南京東路の歩行街へ入り、生煎饅頭・蟹殻黄・条頭糕・鮮肉月餅と、老舗の点心を少しずつ。麺で腹を落ち着けたいなら裕興記の蟹黄麺を挟みます。番地は外灘側が1号、西へ行くほど数字が大きくなるので、順路は番地の大きい人民広場から小さい外灘へ下るように組んであります。最後は外灘まで出て、桂花紅焼肉や松鼠鱸魚を、川と租界建築を眺めながら。全体で徒歩3時間ほど、菓子は歩きながら、料理は座って、と切り替えるのがコツです。
食べ歩きの見どころ
歩き食いの主役は、南京東路に集まる老舗の点心です。大壺春の生煎は「スープが出ない派」で、厚めの皮に肉汁を吸わせて食べさせる上海の一系統。莱莱小籠の蟹粉小籠は、皮を破ると餡がオレンジ色に光るほど蟹を惜しまない。泰康食品の蟹殻黄は名前に蟹とあるが蟹は入らない、胡麻の焼き菓子で、上海の朝の定番です。甘い方では、沈大成の条頭糕、真老大房の鮮肉月餅(中秋でなくても年中焼いている)。そして締めは外灘。滬公館の松鼠鱸魚は、注文が入ってから揚げ、甘酢あんをかけた瞬間に音が鳴る一皿。外灘家宴の桂花紅焼肉と合わせれば、屋台の点心から本格の本帮まで、南京路の食が一本につながります。
訪れる前に
南京東路は観光客が非常に多く、休日や大型連休(国慶節・春節)は歩くのも大変なほど混みます。老舗の菓子は昼過ぎに売り切れることもあるので、狙いは午前中。支払いは電子決済が中心ですが、小さな老舗では現金が要ることもあります。外灘の料理店は人気で待つことが多いので、時間帯をずらすか予約が無難です。営業時間は変動があるため、各店の時間は目安として、現地で確かめてください。
ルートマップ
人民広場 → 南京東路歩行街 → 外灘(西から東へ) · 番号は下の一皿と対応
このルートの一皿(10)
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