ペナン · ジョージタウン世界遺産ルート
ジョージタウン世界遺産ルート
世界遺産に登録された旧市街の中心に、華人ホーカーの食が路地ごとに息づいている。炭火の炒粿條、汁なしの雲呑麺、蝦膏の豬腸粉、澄んだ粿條湯、八角の鴨肉粿汁、そして締めの煎蕊。チュリア、キンバリー、キャンベル、新街を、一皿ずつ辿る道だ。
粿條と麺の華人街
ジョージタウンの華人ホーカーは、米の平打ち麺「粿條」と卵麺を軸に回っている。同じ粿條でも、炭火で炒めれば炒粿條になり、澄んだ湯に沈めれば粿條湯になる。雲呑麺は汁なしで叉焼を添え、豬腸粉は蒸した米の生地に黒く甘い蝦膏をかける。鴨肉粿汁は八角の効いた鴨の煮汁で幅広の生地を煮る。潮州・福建・広東の移民が持ち込んだ作りが、狭い路地に代々受け継がれてきた。派手な看板より、鑊気(鍋の火の香り)や炭の煙が店の在り処を教える。まずは軽い一皿を分け合い、通りの流れに身を置くところから始めたい。
炭と鑊気
この街の味を決めるのは、火の入れ方だ。炒粿條は強い炭火で一気に炒め、醤油の焦げと海老の香りを麺に移す。鑊気と呼ばれる、その鍋の火の香りが一皿の善し悪しを分ける。だから名店は一皿ずつ炒り、行列が伸びても火を落とさない。汁ものは対照的に、鶏や鴨、海老の殻から静かにひいた澄んだスープで食べさせる。粿條湯の透明な汁は、炒粿條の濃さのあとに口を落ち着ける。ペナンの豬腸粉や鴨肉粿汁には黒く甘い蝦膏や八角の香りが差し、辛さより香りと甘みで奥行きを作る。強い火の一皿と静かな一杯を交互に取ると、味の疲れが出にくい。卓上の辣椒醤(サンバル)は少しずつ足して、自分の輪郭を決めたい。
このルートの歩き方
コムタかチュリア通りを起点に、まずは日のあるうちにシアム路の炒粿條で一皿。強い炭火の香りを覚えたら、新街の古いコピティアムに寄って汁なしの雲呑麺を軽く。昼を過ぎたら南のペナン・ロードへ回り、脇道のロー・ケン・クイで煎蕊を一杯、氷で口を冷ます。夕方、キンバリー通りに夜市が立ち始めたら、豬腸粉をつまみ、粿條湯で一度腰を落ち着け、締めに八角の効いた鴨肉粿汁を分け合う。昼の炒め物、午後の甘味、夜の屋台と、時間帯で表情が変わる街だ。全体で2〜3時間。歩ける距離だが、蒸し暑いので水を手元に置き、混む午後と週末は行列を見込んでおきたい。
ルートマップ
チュリア通り → キンバリー通り → キャンベル通り → 新街(華人ホーカーの核) · 番号は下の一皿と対応
このルートの一皿(6)
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