西安 · 永興坊ルート
永興坊ルート
城壁の内側、中山門の近くに、陝西各地の小吃を一箇所に集めた食の街区がある。biangbiang麺、臊子麺、甑糕、葫芦鶏、そして碗を割る摔碗酒。都市の路地というより、省全体の郷土料理を歩いて回る展示のような場所だ。麺と饃の奥行きを一度に確かめられる。
一省の郷土を集めた街区
永興坊は、陝西の各地方から小吃を一箇所に集めてつくられた食の街区だ。関中平原の麺、陝北の粗い酒、陝南の甘味が、通り沿いに軒を連ねる。だから一つの都市を歩くというより、省全体の食卓を横断する感覚に近い。biangbiang麺の幅広の一本、岐山臊子麺の酸い汁、甑糕の棗の甘さ。それぞれの土地の名を冠した店が並び、看板には地名が添えられている。観光地として整えられてはいるが、料理そのものは郷土の作りを保つものが多い。どこから何を食べるか、地図を眺めながら選ぶところに、この場所の面白さがある。
麺の奥行き
陝西は「麺の郷」と呼ばれ、その形と食べ方は驚くほど多い。永興坊では、その奥行きを短い距離で確かめられる。biangbiang麺は帯のように幅広く、熱油をかけて辣と香ばしさを立てる。臊子麺は細く切り、酸味の効いた汁で一口ずつ。同じ小麦から、これほど違う食感と味が生まれることに気づく。麺だけでなく、饃(パン)もまた主役だ。甑糕はもち米を蒸し重ね、柿子餅は柿と小麦を練って焼く。粉ものの街としての厚みが、ここには詰まっている。辛さや酸味は店で加減を頼めることが多いので、まずは基本の味を確かめてから調整するとよい。
このルートの歩き方
地下鉄「朝陽門」駅から城壁に沿って歩き、中山門の近くにある永興坊の牌楼をくぐる。街区は入り組んでいるので、まず一周して店の並びと地名を眺めるとよい。昼に来るなら、biangbiang麺か臊子麺で一つ主軸を決め、隣り合う店で甑糕を一切れ挟む。葫芦鶏は手間のかかる一皿なので、数人なら座って半羽を分け、腰を据えて味わいたい。歩き疲れたら柿子餅を一つ、摔碗酒の一角で碗の割れる音を眺めながら休むのもいい。全体で1時間半ほど。夕方は人が増えるので、混雑を避けるなら昼過ぎが動きやすい。麺は熱いうちに、甘味は最後にとっておくと、味の流れが崩れない。
ルートマップ
中山門 → 順城巷 → 永興坊 → 城壁沿い(歩く順) · 番号は下の一皿と対応
このルートの一皿(6)
タップすると各店・各一皿の詳細へ