永興坊ルート

西安 · 永興坊ルート

永興坊ルート

城壁の内側、中山門の近くに、陝西各地の小吃を一箇所に集めた食の街区がある。biangbiang麺、臊子麺、甑糕、葫芦鶏、そして碗を割る摔碗酒。都市の路地というより、省全体の郷土料理を歩いて回る展示のような場所だ。麺と饃の奥行きを一度に確かめられる。

🚇 地下鉄1・5号線「朝陽門」駅から徒歩8分🚶 徒歩 約95分🍽 一皿 6

一省の郷土を集めた街区

永興坊は、陝西の各地方から小吃を一箇所に集めてつくられた食の街区だ。関中平原の麺、陝北の粗い酒、陝南の甘味が、通り沿いに軒を連ねる。だから一つの都市を歩くというより、省全体の食卓を横断する感覚に近い。biangbiang麺の幅広の一本、岐山臊子麺の酸い汁、甑糕の棗の甘さ。それぞれの土地の名を冠した店が並び、看板には地名が添えられている。観光地として整えられてはいるが、料理そのものは郷土の作りを保つものが多い。どこから何を食べるか、地図を眺めながら選ぶところに、この場所の面白さがある。

麺の奥行き

陝西は「麺の郷」と呼ばれ、その形と食べ方は驚くほど多い。永興坊では、その奥行きを短い距離で確かめられる。biangbiang麺は帯のように幅広く、熱油をかけて辣と香ばしさを立てる。臊子麺は細く切り、酸味の効いた汁で一口ずつ。同じ小麦から、これほど違う食感と味が生まれることに気づく。麺だけでなく、饃(パン)もまた主役だ。甑糕はもち米を蒸し重ね、柿子餅は柿と小麦を練って焼く。粉ものの街としての厚みが、ここには詰まっている。辛さや酸味は店で加減を頼めることが多いので、まずは基本の味を確かめてから調整するとよい。

このルートの歩き方

地下鉄「朝陽門」駅から城壁に沿って歩き、中山門の近くにある永興坊の牌楼をくぐる。街区は入り組んでいるので、まず一周して店の並びと地名を眺めるとよい。昼に来るなら、biangbiang麺か臊子麺で一つ主軸を決め、隣り合う店で甑糕を一切れ挟む。葫芦鶏は手間のかかる一皿なので、数人なら座って半羽を分け、腰を据えて味わいたい。歩き疲れたら柿子餅を一つ、摔碗酒の一角で碗の割れる音を眺めながら休むのもいい。全体で1時間半ほど。夕方は人が増えるので、混雑を避けるなら昼過ぎが動きやすい。麺は熱いうちに、甘味は最後にとっておくと、味の流れが崩れない。

ルートマップ

中山門 → 順城巷 → 永興坊 → 城壁沿い(歩く順) · 番号は下の一皿と対応

永興坊主街順城巷解放路東新街尚勤路🚪中山門🧱西安城壁🏮永興坊牌楼1biangbian…2岐山臊子麺3甑糕4葫芦鶏5黄桂柿子餅6摔碗酒(米酒)

このルートの一皿(6)

タップすると各店・各一皿の詳細へ

1biangbiang麺の店×biangbiang麺(油潑麺)帯のように幅広く長い一本の手延べ麺を、台に打ちつけながら伸ばして茹でる。丼に上げた麺の上へ唐辛子粉、刻みネギ、ニンニクを載せ、熱した菜種油をかけると音を立てて香りが立ちのぼる。醤油と酢を回して力強く混ぜると、辣油が麺全体に絡む。もちもちと厚く、噛みごたえがある。一本が長いので、箸で持ち上げながらすする。汁なしで、辣と香ばしさが前に出る。最寄 永興坊内価格 16〜26元 / 16–26 CNY 2岐山臊子麺の店×岐山臊子麺細く切った麺を少量ずつ茹で、豚肉と豆腐、木耳、卵、青菜を刻んで炒めた臊子と、酢を効かせた赤い汁を張る。碗は小さく、麺は一口二口で、汁を残して麺だけをすするのが土地の食べ方。酸味がまず立ち、辣と油の香りが後を追う。汁は熱く、酸辣が体を温める。何杯もおかわりする習わしもあるので、少しずつ頼むと味の変化が追える。最寄 永興坊内価格 15〜24元 / 15–24 CNY 3甘味甑糕の露店×甑糕もち米と棗、あるいは金時豆を何層にも重ね、甑と呼ぶ大きな蒸し器で長い時間かけて蒸し上げる。層は下に沈むほど棗の色が濃く、飴色に染まる。注文するとへらで縦に切り取り、米と棗を混ぜて器に盛る。柔らかく、棗の自然な甘さがゆっくり広がる。砂糖は使わない店も多い。朝の甘味として温かいうちに食べるのがよい。最寄 順城巷価格 6〜12元 / 6–12 CNY 4葫芦鶏の店×葫芦鶏鶏を丸ごと下茹でし、蒸してから油で揚げるという三段の手間をかける。仕上がりは瓢箪(葫芦)のように丸くふくらみ、皮は薄く砕けるほど香ばしく、身はほろりと骨から外れる。卓では手で裂き、花椒塩を少しつける。脂は軽く、揚げ物ながら重くない。唐代の都の宴を思わせる一皿で、数人で分けて食べるのに向く。ゆっくり座って味わいたい。最寄 永興坊内価格 半羽 40〜70元 / 40–70 CNY (half) 5甘味黄桂柿子餅の露店×黄桂柿子餅熟した火晶柿子の実をつぶして小麦粉と練り、平たく丸めて胡桃や桂花、青紅絲の餡を包む。鉄鍋に浅く油をひき、両面をきつね色に焼く。表面は薄く固まり、中はとろりと柿の甘さがにじむ。熱いうちは餡が流れるので、少し冷ましてから齧るとよい。柿の香りと桂花の匂いが重なり、油の香ばしさがそれを支える。歩きながら一つずつ。最寄 永興坊内価格 1個5〜9元 / 5–9 CNY each 6摔碗酒の店先×摔碗酒(米酒)素焼きの粗い碗になみなみと注がれた米酒を、立ったまま一息に飲み干し、飲み終えた碗を足元の一角に投げつけて割る。積み上がった陶片の山が、この一角の景色になっている。酒は度数が低く、甘く濁り、口当たりは柔らかい。割る音が続けざまに響き、通りの空気が高まる。飲めない人は味を確かめる程度に。派手だが、酒そのものは素朴だ。最寄 永興坊内価格 1碗5〜10元 / 5–10 CNY per bowl
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