西安 · 回民街ルート
回民街ルート
鐘楼の裏手から北へ、回族の食文化が根づいた路地が幾筋も伸びる。羊肉泡馍、肉夾饃、涼皮、羊肉串。ちぎり、挟み、和え、炙る手仕事が、狭い通りに並んで湯気を上げている。ムスリムの定番を一つずつ、歩きながら確かめる道だ。
饃と羊肉の街
回民街の食は、饃(パン)と羊肉の二つを軸に回っている。硬く焼いた白吉饃を客が自らちぎって汁に沈める羊肉泡馍、その饃に煮込んだ肉を挟む肉夾饃、炭火であおぐ羊肉串。回族の食堂と露店が代々受け継いできた手仕事が、狭い通りに集まっている。豚を使わないこの一帯では、羊と牛が味の中心にあり、クミンと唐辛子が羊の匂いを丸くまとめる。派手な看板よりも、肉を刻む音や蒸籠の湯気が店の在り処を教えてくれる。まずは一皿を分け合い、通りの流れに身を置くところから始めたい。
辣と酸のあいだ
この街の味は、辣(辛さ)と酸(酸味)のあいだで揺れている。涼皮は酢とニンニク水で酸を立て、辣油で熱を足す。胡辣湯は胡椒の辛さを前に出し、糖蒜の甘酢が口を整える。羊肉泡馍のこってりした汁には、生ニンニクや辣椒醤を少しずつ足して自分の輪郭をつくる。甘味も忘れてはいけない。鏡糕や酸梅湯は、辣い一皿のあとの口をゆっくり冷ましてくれる。一皿ごとに味が強いので、少量ずつ数を頼み、辣・酸・甘を行き来しながら歩くのがこの街の楽しみ方だ。水や飲み物を手元に置いておくと、辛さの波に無理なくつき合える。
このルートの歩き方
地下鉄2号線「鐘楼」駅で降り、鐘楼と鼓楼を抜けて北院門の入口に立つ。まずは羊肉泡馍で腰を据え、ちぎる時間ごと最初の一杯を味わう。通りを北へ進みながら肉夾饃を一つ、続く西羊市で涼皮を軽く挟むと、酸味が口を整える。大皮院に折れれば夕方から羊肉串の煙が立ち、炭火の列に並ぶ。朝から動けるなら、洒金橋の方へ寄って胡辣湯を一杯足すのもよい。締めは化覚巷の角で鏡糕を一本。全体で2時間ほどだが、混雑する午後と週末は列が伸びる。少量ずつ頼み、飲み物を手にしながら、辣と酸のあいだをゆっくり歩き抜けたい。
ルートマップ
鐘楼 → 北院門 → 西羊市 → 大皮院(歩く順) · 番号は下の一皿と対応
このルートの一皿(6)
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