回民街ルート

西安 · 回民街ルート

回民街ルート

鐘楼の裏手から北へ、回族の食文化が根づいた路地が幾筋も伸びる。羊肉泡馍、肉夾饃、涼皮、羊肉串。ちぎり、挟み、和え、炙る手仕事が、狭い通りに並んで湯気を上げている。ムスリムの定番を一つずつ、歩きながら確かめる道だ。

🚇 地下鉄2号線「鐘楼」駅から徒歩5分🚶 徒歩 約110分🍽 一皿 6

饃と羊肉の街

回民街の食は、饃(パン)と羊肉の二つを軸に回っている。硬く焼いた白吉饃を客が自らちぎって汁に沈める羊肉泡馍、その饃に煮込んだ肉を挟む肉夾饃、炭火であおぐ羊肉串。回族の食堂と露店が代々受け継いできた手仕事が、狭い通りに集まっている。豚を使わないこの一帯では、羊と牛が味の中心にあり、クミンと唐辛子が羊の匂いを丸くまとめる。派手な看板よりも、肉を刻む音や蒸籠の湯気が店の在り処を教えてくれる。まずは一皿を分け合い、通りの流れに身を置くところから始めたい。

辣と酸のあいだ

この街の味は、辣(辛さ)と酸(酸味)のあいだで揺れている。涼皮は酢とニンニク水で酸を立て、辣油で熱を足す。胡辣湯は胡椒の辛さを前に出し、糖蒜の甘酢が口を整える。羊肉泡馍のこってりした汁には、生ニンニクや辣椒醤を少しずつ足して自分の輪郭をつくる。甘味も忘れてはいけない。鏡糕や酸梅湯は、辣い一皿のあとの口をゆっくり冷ましてくれる。一皿ごとに味が強いので、少量ずつ数を頼み、辣・酸・甘を行き来しながら歩くのがこの街の楽しみ方だ。水や飲み物を手元に置いておくと、辛さの波に無理なくつき合える。

このルートの歩き方

地下鉄2号線「鐘楼」駅で降り、鐘楼と鼓楼を抜けて北院門の入口に立つ。まずは羊肉泡馍で腰を据え、ちぎる時間ごと最初の一杯を味わう。通りを北へ進みながら肉夾饃を一つ、続く西羊市で涼皮を軽く挟むと、酸味が口を整える。大皮院に折れれば夕方から羊肉串の煙が立ち、炭火の列に並ぶ。朝から動けるなら、洒金橋の方へ寄って胡辣湯を一杯足すのもよい。締めは化覚巷の角で鏡糕を一本。全体で2時間ほどだが、混雑する午後と週末は列が伸びる。少量ずつ頼み、飲み物を手にしながら、辣と酸のあいだをゆっくり歩き抜けたい。

ルートマップ

鐘楼 → 北院門 → 西羊市 → 大皮院(歩く順) · 番号は下の一皿と対応

北院門西羊市大皮院化覚巷廟後街洒金橋🔔鐘楼🥁鼓楼🕌化覚巷清真大寺1羊肉泡馍2肉夾饃3涼皮4羊肉串5肉丸胡辣湯6鏡糕

このルートの一皿(6)

タップすると各店・各一皿の詳細へ

1soup老舗の羊肉泡馍店×羊肉泡馍硬く焼いた白吉饃を、自分の手で豆粒ほどに細かくちぎり碗に沈める。厨房でそこへ羊肉と澄んだスープ、春雨、青菜が注がれ、卓に戻ってくる。羊の匂いは思ったより静かで、糖蒜(甘酢のニンニク)と辣椒醤を少し添えると輪郭が締まる。饃は汁を吸って柔らかく、それでも芯が残る。細かくちぎるほど味が均一に回る。店は広く相席が普通で、昼時は列ができるため少し早めに入ると落ち着いて食べられる。最寄 鐘楼/北院門付近価格 30〜45元 / 30–45 CNY 2肉夹馍の専門店×肉夾饃炉で外を香ばしく焼いた白吉饃を横に割り、長く煮込んだ腊汁肉を刻んで挟む。回民街では羊肉や牛肉が主で、脂と赤身を一緒に叩き、青唐辛子を少し混ぜることもある。饃の表面はぱりっと、内側はしっとり。噛むと肉汁が縁からにじみ、こぼれないよう上を向いて食べる客が多い。作りは早く、歩きながらの一つ目に向く。店先で肉を刻む音が目印になる。最寄 北院門通り価格 10〜16元 / 10–16 CNY 3涼皮の屋台×涼皮小麦粉を洗って澱粉と麩(麺筋)に分け、蒸してつくる幅広の冷たい皮。切り分けた皮に麺筋、もやし、きゅうりを重ね、辣油、酢、ニンニク水、塩を回しかけて手早く和える。冷たく、つるりと滑り、酸味と辣味が舌の上で交代する。麺筋は蜂の巣状で汁をよく含む。夏の昼に軽く、羊肉泡馍の後の口直しにも向く。店先で皮を切る包丁の音が続く。最寄 西羊市価格 8〜14元 / 8–14 CNY 4炭火の羊肉串店×羊肉串赤身と脂を交互に刺した串を炭火の上に並べ、団扇であおぎながら塩、クミン、唐辛子粉を振る。脂が落ちて炎が上がり、煙と香りが通りに流れる。表面は焦げ、中はまだ汁を残す。クミンの香りが羊の匂いを丸くまとめ、噛むと脂が溶ける。数本ずつ頼み、熱いうちに串から直接食べるのがよい。夕方から人が増え、煙の下に列ができる。最寄 大皮院価格 1本3〜6元 / 3–6 CNY each 5soup胡辣湯の朝の店×肉丸胡辣湯牛肉の団子、じゃがいも、白菜、蓮根などを煮込み、とろみをつけた濃い汁に胡椒と唐辛子を効かせる。西安の胡辣湯は具が大ぶりで、汁というより煮物に近い。器に注がれたところへ辣油をひと回し、饃を割って浸すと汁が染みる。胡椒の辛さが喉の奥で立ち、朝の冷えた体に届く。立ち食いも座り食いもでき、行列は回転が速い。最寄 洒金橋付近価格 10〜18元 / 10–18 CNY 6甘味鏡糕の露店×鏡糕小さな木枠にもち米粉を詰め、湯気の立つ蒸籠で数分蒸す。鏡のように丸く白いところから鏡糕と呼ぶ。蒸しあがりに竹串を刺して抜き取り、桂花(金木犀)の蜜や黒糖、砕いたゴマや落花生をまぶす。もちりと柔らかく、ほのかに甘い。熱いうちが最もやわらかく、歩きながら一本ずつ食べるのに向く。露店の蒸籠から上がる白い湯気が、通りの角の目印になる。最寄 化覚巷付近価格 5〜10元 / 5–10 CNY
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