沖縄 · 首里ルート
首里ルート
首里は、琉球王国の王城が置かれた那覇の高台で、王朝の食が今も息づく一帯だ。城下には木灰で打つ首里そばの名店があり、泡盛に漬けた豆腐ようや、田芋を練るドゥルワカシー、蒸し菓子のちいるんこうといった宮廷ゆかりの味が並ぶ。国際通りの賑わいとは違い、石畳と古民家の静けさの中で、ゆっくりと王朝の都の食をたどる道になる。
王朝の都と食
首里は十五世紀から約四百五十年、琉球王国の政治と文化の中心だった。中国や日本、東南アジアとの交易の要にあったため、宮廷では各地の食材と技法が交わり、独自の料理と菓子が育った。泡盛に紅麹を合わせて豆腐を発酵させる豆腐よう、田芋を練り上げるドゥルワカシー、卵と砂糖を蒸したちいるんこう、落花生やごまを包むくんぺんなどは、いずれも王家の儀礼や冊封使のもてなしに由来する。庶民の首里そばもまた、木を焼いた灰の上澄みで麺を打つ古い製法を今に伝える。城下町を歩くと、そうした王朝の食が、名店や古民家の店にひっそりと残っているのに気づく。
昼と午後の食
このルートは昼を中心に組むとよい。まず木灰そばの名店へ向かい、澄んだ豚と鰹の汁に三枚肉をのせた首里そばを一杯。人気店は昼過ぎに売り切れるので、開店に近い時間が確実だ。腹ができたら、琉球料理店で豆腐ようをひとかけ、田芋を練ったドゥルワカシーを小皿でつまむ。どちらも量は少なく、味と背景をゆっくり味わうためのものだ。午後は城下の菓子店で、くんぺんや花ぼうるといった焼き菓子を買い、石畳の道すがら口にする。締めは古民家の茶屋で、泡を高く立てたぶくぶく茶と、しっとり蒸したちいるんこうを一皿。濃いさんぴん茶とともに、歩き疲れた体をひと息つかせる。夜まで残るなら、豆腐ようを肴に泡盛を一杯かたむけてもいい。
このルートの歩き方
起点はゆいレールの首里駅で、そこから首里城公園へ向かって城下町を歩く。玉陵や龍潭、金城町の石畳道といった史跡が近く、食と合わせて半日ほどで巡れる。石畳は雨に濡れると滑りやすいので、歩きやすい靴がよい。首里そばの名店や琉球料理店は昼を中心に営業し、夜まで開く店は多くないため、この一帯は昼から午後にかけて回るのが向く。豆腐ようやドゥルワカシーは量が少なく単価もあるので、数品を分け合って味わうと無理がない。菓子は日持ちするものを土産にでき、その場で食べるものと分けて買うとよい。支払いは店により現金のみのこともあるため、少額を用意しておくと安心できる。城見学と食べ歩きを一日にまとめると、王朝の都をゆっくり感じられる。
ルートマップ
首里駅 → 玉陵 → 首里城下町 → 金城町石畳道(王朝の都を歩く) · 番号は下の一皿と対応
このルートの一皿(6)
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