ドンスアン市場ルート

ハノイ · ドンスアン市場ルート

ドンスアン市場ルート

旧市街の北端、ハノイ最大の卸売市場ドンスアンを中心に、朝の食が渦を巻く。蟹の酸味のブンリエウ、田螺のブンオック、鶏のフォー、緑豆のおこわ、色とりどりのチェー。露店の低い椅子に腰かけ、市場の喧騒を背に一杯ずつ。ロンビエン橋のたもとまで、庶民の胃袋を歩く道だ。

🚶 旧市街北端。ホアンキエム湖から徒歩約15分、ロンビエン橋のたもと🚶 徒歩 約95分🍽 一皿 6

市場の胃袋

ドンスアン市場は、フランス統治期に建てられたハノイ最大の屋内市場で、卸と小売の荷が今も朝から動く。その周りに、働く人と買い物客の胃を満たす屋台が集まっている。ここの食は、観光のためというより、日々の労働のための朝食だ。だから安く、量があり、手早い。蟹をすりつぶしたブンリエウ、湖の田螺を使ったブンオック、鶏だしのフォー、片手で握るソイセオ。どれも一杯で腹が落ち着き、また市場の流れに戻れるようにできている。露店は路上に低い椅子を並べ、相席が当たり前だ。荷を運ぶ声と天秤の音のなかで、湯気の立つ一杯に向かう。飾らない、生活の食の現場がここにある。

酸と発酵の朝

市場の朝食に共通するのは、酸味と発酵の香りだ。ブンリエウはトマトと発酵酢で酸を立て、蟹のすり身のうまみと合わせる。ブンオックも同じく酸の効いた汁に、こりこりの田螺を沈める。そこへ客がシュリンプペースト(マムトム)や発酵エビ醤を少し落とし、香りを深める。これらの発酵調味は最初は強く感じるが、酸味とともに麺に絡むと、深いうまみに変わる。甘いチェーやおこわが、その酸の朝を締める役を果たす。慣れないうちは、まず汁だけを味わい、調味は少量から。もやしや香草を自分で沈め、温かい汁と冷たい香草の対比を楽しむ。ハノイの朝は、この酸と香りのなかにある。

このルートの歩き方

旧市街を北へ抜け、ドンスアン市場を目印に歩き始めたい。朝が主役の道なので、できれば午前に動くとよい。まず市場の縁のブンリエウで一杯、蟹の酸味で胃を目覚めさせる。続いてブンオックを軽く、こりこりの田螺で食感を変える。市場の入口ではソイセオを一つ握り、片手で歩きながら緑豆の甘みを味わう。鶏のフォーがあれば、澄んだ汁で口を整えてもいい。市場の中に入れば、チェーの屋台で豆と寒天の冷たい甘味を一杯。締めにハンボー通りの練り物店でジョーチャーを買い、量り売りで切ってもらう。全体で1時間半ほど。昼を過ぎると屋台は徐々に閉まり始めるので、朝のうちに要所を回りたい。市場は人が多く、荷車も通るので、貴重品に気を配りながら流れに乗って歩く。

ルートマップ

ドンスアン市場 → ハンチウ → ハンボー → ロンビエン(歩く順) · 番号は下の一皿と対応

ドンスアンハンチウハンコアイカウドンハンザイ🏬ドンスアン市場🌉ロンビエン橋🚂ロンビエン駅1ブンリエウ(蟹の酸…2ブンオック(田螺の…3鶏肉のフォー4ソイセオ(緑豆のお…5チェー(豆と寒天の…6ジョーチャー(豚の…

このルートの一皿(6)

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1soupドンスアン市場のブンリエウ屋×ブンリエウ(蟹の酸味スープ麺)Bún Riêu Chợ Đồng Xuân × Bún Riêu Cua田蟹をすりつぶして漉した身を煮立て、トマトと発酵酢で酸味を立てたスープに、米麺のブンを沈める。ふわりと固まった蟹のすり身が浮き、揚げ豆腐や田螺、血の固まりが具に加わることもある。色は赤みを帯び、香りは蟹の香ばしさと酸が交わる。もやしと空心菜、香草を自分で沈め、シュリンプペーストを少し落として味を締める。市場の喧騒の縁で、屋台の低い椅子に腰かけてすする一杯だ。最寄 ドンスアン市場/旧市街北価格 3.5万〜5万ドン 2市場そばのブンオック屋×ブンオック(田螺のスープ麺)Bún Ốc Chợ Đồng Xuân × Bún Ốc殻から外した田螺を、トマトと酢で酸味を立てたスープに合わせ、米麺のブンにかける。螺は小さく、噛むとこりこりとして、泥臭さは生姜と発酵酢で抑えられている。表面には赤い脂が浮き、揚げ豆腐やバナナの花、青じそに似た香草を添える。酸と辛の効いた汁に螺の食感が跳ね、麺がそれを受け止める。温かい汁物と冷たい香草の対比が、蒸し暑い市場の空気に合う。最寄 ドンスアン市場周辺価格 4万〜5.5万ドン 3soupハンザイ通りのフォーガー屋×鶏肉のフォーPhở Gà Hàng Điếu × Phở Gà鶏をまるごと炊いた澄んだスープは、牛のフォーより軽く、脂は黄金色に浮く。裂いた地鶏の身を平打ちの米麺にのせ、青ネギとライフリーフの細切りを散らす。身は締まって歯ごたえがあり、皮のこりっとした食感を好む人も多い。まず湯を含み、鶏の甘みを確かめてから、ライムと唐辛子で締める。朝食にも夜食にも軽く、胃にやさしい一杯だ。市場が動き出す前の、静かな時間帯によく合う。最寄 ハンディウ通り/市場西価格 4万〜5.5万ドン 4市場角のソイ屋×ソイセオ(緑豆のおこわ)Xôi Xéo Chợ Đồng Xuân × Xôi Xéoウコンで黄に染めたもち米を蒸し、上に緑豆を練って固めた餡を、包丁で薄く削ってのせる。仕上げに揚げ玉ねぎと溶かした鶏脂をひとかけ。もち米はもっちりと重く、緑豆はほくほくと崩れ、揚げ玉ねぎの香ばしさが全体をまとめる。バナナの葉か紙に包まれ、片手で食べ歩ける。塩気は控えめで、豆と米の素朴な甘みが残る。朝、市場へ向かう人の手に一つずつ握られている一品だ。最寄 ドンスアン市場入口価格 1.5万〜3万ドン 5甘味市場内のチェー屋×チェー(豆と寒天の甘い汁)Chè Chợ Đồng Xuân × Chèガラスの器に、煮た緑豆や小豆、色とりどりの寒天、蓮の実、タピオカを層に盛り、砕いた氷とココナッツミルクを回しかける。匙で底からすくうと、豆のほくほくと寒天のつるり、ココナッツの甘い脂が一度に口に入る。甘さは強いが冷たさが和らげ、蒸し暑い市場の午後に体を冷ます。具は日替わりで、指さして選べることも多い。食後というより、歩き疲れた合間に立ち寄る一杯だ。最寄 ドンスアン市場内価格 1.5万〜2.5万ドン 6ハンボー通りの練り物店×ジョーチャー(豚の練り物)Giò Chả Hàng Bồ × Giò Chả搗いてなめらかにした豚肉を、バナナの葉で円筒に包んで蒸したジョー、あるいは表面を焼いたチャー。切ると淡い桃色で、断面に小さな気泡が並ぶ。弾力があってむっちりと歯を返し、魚醤の塩気と胡椒の香りが控えめに立つ。そのまま切り分けてつまみにも、フォーやバインミーの具にもなる。店先では葉に包まれた円筒が積まれ、量り売りで切ってくれる。祝い事や供物にも欠かせない、日々の台所の一品だ。最寄 ハンボー通り/旧市街価格 3万〜6万ドン
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