東京 · 浅草ルート
浅草ルート
東京最古の寺・浅草寺の門前町を、雷門から北へ。亀十のどら焼き、大黒家の天丼、ホッピー通りの煮込みから、締めは神谷バーの電気ブランまで。江戸から続く下町の一皿を店ごとに辿る。
浅草とはどんな場所か
浅草は、東京でいちばん古いお寺・浅草寺を中心に広がった、江戸以来の門前町です。表玄関の雷門(正しくは風雷神門)には大きな赤提灯が下がり、そこから浅草寺まで、仲見世という参道の商店街がまっすぐのびています。仲見世は日本でも最も古い商店街のひとつで、江戸の頃から参拝客を相手に土産と食べ物を売ってきました。浅草は寺の門前であると同時に、芝居小屋や見世物が集まる庶民の盛り場でもあり、関東大震災や戦災で焼けながら、そのたびに下町の賑わいを取り戻してきた街です。だから浅草の食べ歩きは、観光地の華やかさと、地元の人が普段通う店の素朴さが、同じ通りに同居しています。
江戸の味と、東京最古のバー
浅草の食は、和菓子と揚げ物、そして下町の酒場が柱です。亀十のどら焼き、舟和の芋ようかんのような和菓子の老舗が仲見世の内外に並び、少し歩けば大黒家の海老天丼——ごま油で黒く揚げ、甘辛いタレを衣に吸わせた江戸前の天丼——が待っています。そして忘れてはいけないのが酒。ホッピー通り(煮込み通り)は昼から飲める居酒屋が軒を連ね、店ごとに味の違う牛煮込みが名物です。締めは神谷バー。1880年(明治13年)創業、日本で最初のバーとされ、名物の「電気ブラン」は、「電気」が新しさの代名詞だった時代に生まれた30度の甘い酒です。江戸の甘味から明治のハイカラまで、浅草は時代の層をそのまま一皿に残しています。
このルートの歩き方
起点は雷門。大提灯をくぐって仲見世に入り、浅草寺へ向かって北へ歩きます。まずは亀十のどら焼きや舟和の芋ようかんで甘いものを一つ二つ。仲見世は参拝路なので、歩き食いは控えて、店先やベンチでいただくのが作法です。伝法院通りへ折れると、浅草メンチや大黒家の天丼など、揚げ物と食事の店が増えてきます。西参道でジャンボめろんぱんや世界一濃い抹茶ジェラートを挟み、最後はホッピー通りへ。牛煮込みで一杯やって、締めに神谷バーで電気ブラン——というのが、南から北へ抜ける王道の順路です。全体で徒歩3時間半ほど。立ち食いと着席、甘いと辛いを交互に入れるのがコツです。
食べ歩きの見どころ
甘味の看板は、まず亀十のどら焼き。皮が厚くふかふかで、焼き色がまだらなのは一枚ずつ手で焼いている証拠です。花月堂のジャンボめろんぱんは顔ほどの大きさで、外はサクサク、中は驚くほど軽い。壽々喜園の抹茶ジェラートは濃さを1から7まで選べ、7番は「世界一濃い」を謳います。食事なら大黒家の海老天丼——黒い衣に甘辛いタレが染みて、揚げ物なのに箸で切れるほど。そして酒場の一皿として、ホッピー通りの牛煮込みと、神谷バーの電気ブラン。甘いものから濃い天丼、締めの一杯まで、浅草の一皿は「江戸の下町でずっと食べられてきたもの」で一本につながっています。
訪れる前に
仲見世と雷門の周辺は、休日や外国人観光客で一年中混み合います。ゆっくり食べたいなら、朝いちばん(浅草寺の開門は早い)か、平日の午前が快適です。仲見世では「歩きながら食べない」よう案内が出ていることがあるので、買ったものは店先やベンチで。人気の和菓子は昼過ぎに売り切れることもあり、狙うなら午前中。ホッピー通りは昼から開きますが、夕方は席が埋まります。老舗は定休日や営業時間の変動があるので、各店の時間は目安として、出かける前に確認してください。
ルートマップ
雷門 → 仲見世 → 伝法院通り → 西参道 → ホッピー通り(南から北へ) · 番号は下の一皿と対応
このルートの一皿(8)
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